理科教材ワンポイント講座　６年　月と太陽

① 指導要領から(平成２０年告示)

B－５　月と太陽

	月と太陽を観察し、月の位置や形と太陽の位置を調べ、月の形の見え方や表面の様
	子についての考えを持つことができるようにする。

	ア、月の輝いている側に太陽があること。また、月の形の見え方は、太陽と月の位置
	関係によって変わること。
	イ、月の表面の様子は、太陽と違いがあること。

② 単元の目標は

○月の位置や形の変化について興味・関心を持ち、月の形の見え方を太陽との位置関係か

　ら推論して追求し、月の形の見え方や規則正しく変化する理由について考えることがで

　きるようにする。また、観察や資料に基づいて、月と太陽の表面の違いを理解するとと

　もに、月や太陽に対する豊かな心情を育てる。

２．単元を構成するにあたって

① 子供たちは・・

○

３年生の時に「かげのでき方と太陽の光」の単元で、太陽の動き方やかげのでき方につい
ては学習している。しかし、太陽の表面の様子については学習していない。

○

４年生の時に「月や星」の単元で、月には満月や三日月があるということは学習している。
しかし、なぜ、一つの月が満月や三日月に見えるかは学習していない。

○

７月２２日に起こった「皆既日食」や、若田光一さんの宇宙長期滞在、世界天文年など、
今年は天体・宇宙に関する興味を持ちやすい年と言える。それらをきっかけに子どもたち
の意欲を高めることも大切である。

② 何が分かればよいのか。

○

月と太陽

	・	月の形は日によって見え方が変わること
	・	月の形の見え方には、太陽の位置が関係すること
	・	月と太陽の表面の様子はちがうこと

○

観察技能

	・	方位磁針の使い方
	・	太陽の安全な観察方法
	・	月の観察方法
	・	本やインターネットの活用

③ 教科書の学びの内容と順序は

○

月と太陽　　

段階	活　動	学　習　内　容
単元導入	月の形についての話し合い	【課題の設定】
第　１　次	（実験１）月の形の見え方と太陽	【月の形の変化の実験】
	月と太陽の位置関係	【月の形の変化の追求と理解】
第　２　次	（観察１）月と太陽の表面	【月と太陽の表面の観察】
まとめ・補　　　充	今までの学習のまとめ	【学びの定着】

（コラム１　どうして日食は起こるの？）

④ 単元を構成する上で大切にしたいこと

◇	関心を持たせる。【単元導入】
	・目的を意識した調べ学習や体験活動
	・日常の生活との関連

◇	確かな知識を習得する。【単元全体】
	・月の形は日によって見え方が変わること
	・月の形の見え方には、太陽の位置が関係すること
	・月と太陽の表面の様子はちがうこと

◇	実験器具操作の技能を習得させる。【単元全体】
	○方位磁石の正しい使い方
	○太陽や月の観察方法
	・太陽を観察する際は、必ず遮光板を使用する。

◇	科学的追求の思考力(と技能)を育てる。【単元全体】
	○実験や観察をもとに月の形の見え方が変化するわけを推論し、説明する。
	○集めた資料から月と太陽の表面の様子の違いを読みとる。

◇	学習したことを確かめさせる(確かなものにする)。【まとめと補充】
	○月と太陽の位置関係が考えられる
	○生活との関連を図って

３．どのように単元を流すか

○月と太陽　　　　　　【単元導入　月と太陽　P.12～13　１時間】

課題、活動、まとめなど

留意点　　など

課題

『今までにどんな月を見たことがあるか？』

活動

○月の形に関する話し合い

○月の見える場所・時間

○月の動き方

評価規準

関心①	月の形の見え方に興味をもち、経験に基づいて疑問を見つけて、調べていこうとする。

学習（まとめ）のポイント

　○月の形には三日月や半月、満月などの形がある。

　○月の形によって、見える時間や場所が異なる。

　○動き方は、太陽と同じで東から西へ動く。

・	生活体験や学習体験、興味や疑問を出し合うことによって、月や太陽に対する興味や関心を高めていくようにする。

・	月の形をノートに書いたり、月のモデルを月齢順に黒板に貼るなどの活動をさせると良い。

・	下記に紹介するインターネットサイトを活用しても良い。

【第１次　月の形の見え方　P.14～17　２時間】

課題、活動、まとめなど

留意点　　など

課題①

『月の形の見え方が日によって変わるのは、なぜか？』

活動

○月の形の見え方の話し合い（予想）

○月の見え方を調べてみよう（実験１）

評価規準

技能①	月の見え方について、モデルの意味を理解して実験を行うことができる。

学習（まとめ）のポイント

　○月は太陽の光が当たっている部分だけが光って見える。

　○月は太陽の光が当たっていない側は暗くて見えない。

課題②

『月の動き方と太陽の位置にはどんな関係があるか？』

活動

○実験結果の整理、考察

○実験結果の推論、説明

○月の見え方と太陽の位置に関するまとめ

評価規準

思考①	モデル実験や観察をもとに、月の形の見え方が変化するわけを推論し、説明することができる。

知識①	月の形の見え方は、地球からみた太陽と月の位置関係によって変わることがわかる。

学習（まとめ）のポイント

　○月の形の見え方は、太陽との位置関係によって変わる。

・	実験を行う際には、電灯（太陽）やボール（月）が何を表しているか丁寧にとらえさせる。

・	実験は暗い部屋で行うことが望ましい。また、電灯はOHPの光を利用しても良い。

・	実習で作成する「月の満ち欠け模型」を利用しても良い。

・	今回の改訂では、推論や説明する活動を通しての、実感を伴った理解が重要とされている。ここでは、子どもたちが推論や説明する時間を確保したい。

【第２次　月と太陽の表面　P.18～19　１時間】

課題、活動、まとめなど

留意点　　など

課題①

『月の表面と太陽の表面を比べてみよう』

活動

○資料調べ

○まとめ、発表

評価規準

技能②	月や太陽の表面のようすに関する観察や資料調べを行い、目的に応じて整理したり、記録したりすることができる。
技能②	月の表面のようすを太陽や地球と比較しながら調べ、それぞれの特徴や違いがわかる。

学習（まとめ）のポイント

　○月は太陽と比べてでこぼこしている。

　○太陽はとても高い温度になっている

・	月は双眼鏡や望遠鏡を使って調べると、クレーターを見ることができる。

・	昼の月を観察する場合、誤って太陽を見てしまわないように双眼鏡や望遠鏡は使用しない。

・	下記に紹介するインターネットサイトを活用しても良い。

【まとめと補充　P.20～21　１時間】

課題(補充)	『月の形と太陽の位置』

活動	○ノートまとめ
	○月の形と太陽の位置

・	教科書のまとめの例を参考に、ノートをまとめさせる。

参考になるインターネットサイト

○ＹＡＨＯＯ！きっず星空

○理科ねっとわーく

○国立天文台

○世界天文年２００９

○ＪＡＸＡ

ワンポイント実習講座

　　・月の満ち欠けモデル